バックパックのこの機能って何に使うの?
バックパックって何で沢山のストラップがついてるの?
登山用のバックパックは街中で使うリュックと比べて、コードやファスナー、バックルなどなど…
ゴチャゴチャしてて何に使うのかよく分からない機能もありますよね。
(クライミング用だと、めちゃシンプルなモデルもありますが…)
大型になるほど多くのパーツが使われており、その全てが大量の荷物を快適に運ぶことをを考えられて作られています。
バックパックの使い方について理解することで、登山での大量の荷物を効率的に運べ、ストレス無い快適な山行をすることができるでしょう。
今回はバックパックの機能について
- フィッティング構造
- パッキング構造
- 便利機能
に分けて解説していきます「目次」から項目までジャンプできるので活用してください
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バックパックの機能・使い方
用途やサイズによっては省略されている機能もあります。
日帰り用など小型サイズだと複雑な構造が必要ないのと、機能を省く=軽量化に繋がるからです。
自分の持っている、または購入を検討しているバックパックと照らし合わせてみてください。
フィッティング構造
1.ウエストハーネス
- 肩にかかる荷重を分散させる
- 中型以上のサイズはここで荷重の大部分を支える
- バックパックが振れるのを防ぐ
- ポケットがついてるモデルも多い
中型以上のバックパックはその多くが荷重の約7割を腰で支える設計になっているため、バックパック選びではウエストハーネスの作りや体へのフィット感が特に重要です。
荷物の容量が大きくなるほど厚いパッドで、逆に軽く小さいサイズだと簡易的であったり、中には取り外し出来るモデルも。
バックパックが腰に固定されるため、歩く時にバックパックが上下左右に振れてしまうのを防ぐ役目もあります。
ポケットがついているモデルが多く、携帯電話や行動食などの小物収納の便利です。
2.ショルダーハーネス
- バックパックを背負うためのハーネス
- ストラップの引き具合で荷重を肩と腰で分散させる
これも大型モデルになるほど分厚くゴツいハーネスがついています。
ストラップを引きすぎると、腰から荷重が抜けて肩に負荷が掛かり痛めてしまうので適度に。
3.チェストハーネス
- 左右のショルダーハーネスをつなぐ
- ショルダーハーネスがズレてしまうのを防ぐ
なで肩の人やバックパックが重い時にショルダーハーネスが外側にズレてしまうのを防ぎます。
ハーネスのズレを防止するだけなので締めすぎは禁物です。
4.トップスタビライザー
- バックパックをより体へ密着させる
- バックパックの横揺れを防ぐ
メーカーによってはロードリフターストラップと呼ぶことも。
ショルダーストラップからバックパック上部に繋がっていて引く事でバックパックをより体へ密着させてフィット感が向上し、バックパックを重心に近づけることで左右に振れることを防ぎます。
引きすぎるとショルダーストラップが引っ張られて肩に負荷がかかるので適度に調整しましょう。
5.背面パネル
- 背中から腰に沿った作りをしている
- 荷重を背中全体へ分散させる
- 背面長を調整出来るモデルもある
バックパック背面の作りが背負い心地に大きく影響するので、各メーカーがそれぞれ趣向を凝らしていて特徴に差が出るパーツでもありますね。
クッションのついたパッドタイプ、シンプルなパネルタイプや、汗抜けの良いメッシュタイプなど種類はさまざまです。
背面長を調整できるモデルだと山行中にいろいろとフィッティングを試せるのでオススメです。
バックパックのフィッティングについてはこちらの記事で解説しています。
パッキング構造
6.荷室へのアクセス
主荷室(メインコンパートメント)へのアクセスは主に
- トップローディング方式
- パネルローディング方式
- ロールトップ方式
この3種の方式があり、登山用の多くのモデルでトップローディング方式を採用しています。
トップローディング
メリット | デメリット |
---|---|
作りが単純でトラブルが少ない | 荷室へのアクセスが悪い |
比較的雨に強い | |
トップリッドとの間に荷物を挟める | |
トップリッドがポケットになっている |
登山用バックパックと言えばこの形ですね。
構造が単純で使いやすく、トップリッド(雨蓋)との間に物を挟んだりと工夫次第でいろいろと使えます。
荷室のアクセスは「バックルを外す→コードを緩める」と、ひと手間必要なので、使用頻度が高い物はトップリッド(雨蓋)に収納するなどしましょう。
パネルローディング
メリット | デメリット |
---|---|
ファスナーで素早く開閉できる | ファスナーのトラブルが怖い |
大きく開閉出来て中身が確認しやすい | 雨が浸水しやすい |
パッキングしにくい |
デイパックのような容量の少ないモデルに採用されており、ファスナーで大きく開閉出来るため荷室へのアクセスが楽に素早く出来ます。
しかし、ファスナーのトラブルが発生した時に対処が難しいのと、パネルが大きく開いてしまうとパッキングがやりにくいため大型バックパックには採用されていません。
山では道具の信頼性も大事ですね。
とはいえ荷物の少ない日帰りの登山では、このタイプが手軽に荷物の出し入れが出来るため使いやすいでしょう。
ロールトップ
メリット | デメリット |
---|---|
防水性が高い | 荷室の開閉が手間 |
シンプルな作りで軽量 | 使うのに慣れが必要 |
荷室容量がある程度調整できる |
筒状の荷室の余った部分を巻いて留める方式。
防水性がとても高く、ある程度荷物が増えてもロールする量で調整できます。
軽量さを重視したバックパックで採用されていることが多く、大手メーカーでもこのタイプをラインナップに加えています。
7.トップリッド
バックパックの荷室の開閉部に覆いかぶさっている、いわゆる雨蓋。
雨風侵入を防ぐ他、大型のポケットがついており、頻繁に使う装備や食料の収納に便利。
トップリッドと荷室との間に道具を挟んで固定する使い方もある。
大型のバックパックになるとトップリッドを取り外して、アタックザックとして使用出来るものもあります。
8.二気室構造
荷室の中が仕切りで上下に分かれている構造。
荷物の仕分けがしやすく、バックパック下部のファスナーで下の荷室へ直接アクセスできるようになっています。
仕切りを取り外して1気室と切り替え出来るモデルもありますね。
9.フロントパネルポケット
バックパックの前面についている大型のポケットで、衣類や小物の収納に便利。
ファスナーで容量を拡張できたり、メッシュ構造になっていたりとメーカーによって作りは様々です。
10.サイドポケット
ドリンクホルダーとして水筒を収納したりテントポールやストックなど長物の収納に使ったりします。
ただ、ここに水筒を収納してからバックパックを背負ったまま取ろうとすると、腕がとても窮屈で自分ひとりでは出せなくなっている人も見かけますね。(取ってくれと頼まれます…)
メーカーによっては水筒が出し入れし易いように取り出し口が2箇所あるモデルもあります。
11.ハイドレーションポケット
ハイドレーションシステムとは水を入れたソフトパックをバックパックに収納し、吸水用のチューブを取り付けて水分を摂る道具で、歩きながら吸水できるため非常に便利です。
ハイドレーション対応のバックパックはソフトパックを収納出来る専用ポケットがあり、荷室内にポケットがある場合はチューブを外に出すホールも開いています。
残りの水の量が見えないので注意が必要ですが、吸水に手間が掛からないためとても便利です。
水は重量があるためバックパック背面側(=重心に近い)に設けてあります。
便利機能
12.コンプレッションストラップ
荷物が少ない時に荷室内で遊ばないよう締め付けて、バックパックの容量を調整したり、マットやトレッキングトポール等を固定したりするのに使います。
キレイなパッキングのためにも使いこなしたい機能です。
13.レインカバー
レインカバーはバックパックの中身が濡れないよう登山には必須ですが、最近では多くのモデルに標準で付属されるようになりました。
付属されるモデルは専用のポケットにたたまれて収納されています。
収納場所に困らず、忘れる事も少なくなり、とても便利になりましたね。
14.ピッケルホルダー
その名の通りピッケルをバックパックに固定する時に使います。
主に冬山でのアプローチや、春秋登山で念のためピッケルを持っていく時などに活躍しますね。
ループタイプであればトレッキングポールをここに固定する使い方も。
使い方
15.デイジーチェーン
複数のループが連続したナイロン状のベルトで、ループにカラビナやコードを通して道具を吊るしたり固定したりして使います。
使用頻度が高い物をすぐに取り使えるメリットはありますが、物をぶら下げすぎると木に引っ掛けて転倒したり、気づいたら紛失していた、といったことも有るので最低限にしましょう。
16.バンジーコード
バックパックのフロントパネルやサイドについているゴム状のコードで、ウェアなどの軽い荷物を一時的に固定するのに使います。
あくまでゴムで押さえつけるだけなので脱落の可能性もあります。
余裕がある時は荷室に収納しましょう。
17.ボトムストラップ
ザック下部にマットなどの大きな装備を固定することが出来るストラップ。
バックルで簡単に固定できて便利なのですが、ここに装着した物はバックパックを地面に置いた時にもれなく汚れるので、対策が必要です。
18.トップギヤループ
トップリッドについているループで、ストラップなどを通して物を固定するのに使います。
ここに固定した物は岩や木の枝に引っ掛けやすいので気をつけましょう。
登山用バックパックの機能や使い方についての解説いかがだったでしょうか?
今回紹介した機能以外にもメーカーごとに独自の装備が備わっているモデルもあるので店頭でチェックしてみてください。
バックパックを正し使って、快適な登山ライフをエンジョイしましょう。
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